ARDプロジェクト
株式会社SUBARUのプロジェクトにおいて、北米市場でユーザーエクスペリエンス調査を担当しました。この調査では、SUBARUが提供する価値や車種の個性を深く理解し、それを次世代の製品開発に活かすための洞察を得ることを目的でした。SUBARUの車両が持つ「日常」と「非日常」を両立させた魅力を再確認し、ユーザーがどのようにSUBARUの車を体験しているのかを深く掘り下げてきました。
SUBARUのデザイン戦略プロジェクトである「Advanced Research Design(ARD)」に参画し、SUBARUが高いシェアを持つ北米市場でグループインタビューやフィールド調査を行ってきました。そこから、SUBARU独自のエッセンスを導き出し、次世代の車両開発に活用する新たなフレームワークを提案しました。
Artwork
SUBARUの車両は、普段使いでの便利さや楽しさはもちろんのこと、アウトドアやロングドライブといった非日常のシーンにおいても高いパフォーマンスを発揮します。私は特に「非日常」の愉しさを深く掘り下げ、「FIELD」「SPORTS」「JOURNEY」という3つのキーワードを定義しました。これらを軸に、色彩心理学を活用したフレームワークを設計し、車種のイメージとユーザーの期待をリンクさせることで、現行モデルと未来のモデルの方向性を視覚的に明確化しました。このフレームワークは、開発現場での議論をさらに深め、質を高める役割を果たしました。
【FIELD】自然の中でのアクティビティや、大切な時間を過ごすために、本格的な荷物を積んで移動する楽しさ。
【JOURNEY】長距離ドライブで日常では得られない感動や発見、そして美しい風景に出会う喜び。
【SPORTS】車両を自分の思い通りにコントロールすることの楽しさ、そしてその瞬間の充足感。
これらの価値を軸にデザイン提案を行い、具体的な検証を繰り返しながら次世代車両の可能性を探求しました。
このプロジェクトの中で提案したアイデアの1つに「SUBARU Pursuit Traveling」というものがあります。このアイデアは特許出願され、正式にSUBARUの知的財産として登録されました。この機能は、SNSを活用して目的地を共有し、エネルギーを分かち合いながら車列で移動できる仕組みです。同じ目的地に向かう仲間や、共通の趣味を持つ新しい人々と出会える機能を通じて、SUBARUのコミュニティをより深くつなげることを目的としています。このような革新的な発想を通じて、SUBARUブランドの価値をさらに高める貢献を行いました。
プロジェクトを通じて、SUBARUの「非日常」を楽しむための価値観を新たな形で具現化し、次世代の可能性を広げるデザイン戦略を行いました。
- DATE
- 2018
- CLIENT
- 株式会社SUBARU
- URL
- -
- TAGS
- Branding