コンセプトカー
私は株式会社SUBARUにて、主にコンセプトカーのエクステリアデザインを担当していました。SUBARUのブランドイメージを形にし、未来の可能性を示すコンセプトカーのデザインは、私の創造性と挑戦心を存分に発揮できる仕事でした。
①「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」
私が初めて携わったプロジェクトは、2017年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」です。このモデルでは、主にリア周りとその他の部品デザインを担当しました。
入社1年目でのショーモデルへの挑戦は、量産車のデザイン業務と並行して行うというハードなスケジュールでした。しかし、その成果は社内で高く評価され、私がデザイナーとして次のステップへ進むきっかけとなりました。このプロジェクトを通じて、デザインスキルだけでなく、限られた時間の中で成果を出す能力やチームワークの重要性を学びました。
Artwork
②「VIZIV TOURER CONCEPT」
次に、2018年のジュネーブモーターショーで発表された「VIZIV TOURER CONCEPT」では、フロント周りとその他の部品デザインを担当しました。このモデルは、前年の「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」をベースに、ワゴンスタイルへと進化させたものです。
制作スケジュールは非常にタイトでしたが、完成したモデルはイタリアで開催された Car Design Award 2018 のコンセプトカー部門でファイナリスト(Top10)に選出されました。こうした国際的な評価は、SUBARUのデザイン力だけでなく、私自身にとっても大きな自信となりました。
③「VIZIV ADRENALINE CONCEPT」
私が最後に携わったプロジェクトは、2019年のジュネーブモーターショーで発表された「VIZIV ADRENALINE CONCEPT」です。このモデルでは、北米市場での調査経験を基に、現地ユーザーの使い方に寄り添ったデザインを追求しました。
例えば、フロントグリルのデザインでは、寒冷地でのオーバークールという課題を解決するために、吸気量を調整できる機構をアイデアとして盛り込みました。また、街灯が少ない自然環境下でも前方をしっかり照らすスポットライト機能を提案するなど、機能性とデザイン性を両立させたアイデアを形にしました。
さらに、株式会社ROBOT様と協力してイメージムービーを制作し、ジュネーブモーターショーの会場で公開しました。映像制作の過程では、私自身のデザイン意図やアイデアを積極的に反映させてもらい、単なる静的な展示だけでなく、動的で情緒的な演出を目指しました。
これらのプロジェクトに携わる中で、私はSUBARUのデザイン哲学とブランド価値を深く理解し、それを具現化することに挑戦しました。特に、北米市場のユーザー調査を基にしたアイデアの具体化や、国際的な場での評価は、私のキャリアにおける大きな財産となっています。
SUBARUでのこれらの経験を通じて、私はコンセプトカーのデザインだけでなく、ユーザーの生活に寄り添う価値を形にするための視点を磨くことができました。未来の可能性を示すこれらのモデルは、SUBARUのデザインの中で私が貢献できた誇らしい成果です。
- DATE
- 2017-2019
- CLIENT
- 株式会社SUBARU
- URL
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- TAGS
- Product Design / Branding