量産車両開発
株式会社SUBARUにおいて、2020年に量産化されたレガシィのホイールデザインを担当しました。このプロジェクトでは、意匠面だけでなく、機能面においても高い目標を掲げ、それを達成するための取り組みを行いました。最終的に、デザイン性と性能の両立を実現した成果は社内外で高く評価されました。
レガシィのホイールデザインを手がけるにあたり、まず他銘の競合車種、特にセダン市場でのベンチマークとなる車両を徹底的にリサーチしました。これにより、最新のデザイントレンドや市場ニーズを把握し、レガシィにふさわしい「洗練されたプレミアム感」と「機能美」のバランスを見つけ出すことを目指しました。
デザインプロセスでは、最初に多くのアイデアスケッチを描き、その中から可能性のあるデザインを選定しました。次に1分の1スケールでスケッチをプリントアウトし、実際のホイールに被せる形で実物の見え方を何度も確認しました。このステップを通じて、デザインが車両全体のプロポーションに与える影響を細かく検証しました。
デザイン案が確定した後は、3Dモデラーと密に連携し、造形指示図を基に3Dモデルを製作しました。その後、ホイールに求められる圧壊性能や空力性能の試験を実施しました。これらのテスト結果を反映し、必要に応じてデザインを修正していくプロセスを繰り返しました。
特に空力性能の向上には注力し、目標値を超える成果を達成しました。具体的には、設定された空力性能目標を+1ポイント上回る結果を出すことができました。この成功により、レガシィのホイールデザインは単なる装飾品としてではなく、機能美と技術力を兼ね備えた存在として完成させることができました。
Artwork
このプロジェクトは、私がSUBARUで担当した最初の仕事でした。初めての実務として、量産車両のホイールデザインという責任ある役割を任されたことは大きな挑戦でしたが、それ以上に大きな学びと成長の機会となりました。
デザインの美しさと機能性を両立させるため、スケッチや1分の1スケールでの検証、性能試験の結果を基にした修正作業を繰り返す中で、実務の厳しさと面白さを体感しました。また、空力性能での目標超過や意匠面での評価を得られたことは、自分自身の努力の成果を形として感じられる非常に喜ばしい経験でした。
- DATE
- 2016
- CLIENT
- 株式会社SUBARU
- URL
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- TAGS
- Product Design